介護領域におけるリハビリも多様化してきており、近年では通所リハビリリハビリ特化型デイサービス自費リハビリなど多くの事業所が混在しています。「どのサービスを選択したら良いのかわからない」「何が違うの?」といざサービス事業所を選択する際、戸惑うことも多々あるのではないでしょうか。そこで今回、それぞれのリハビリについて解説したいと思います。

通所リハ、リハビリ特化型デイサービス、自費リハはここが違う!

目次
1.通所リハビリとは
1)通所リハビリのメリット
2)時間設定、料金について
3)達成目標について
2.リハビリ特化型デイサービスとは
1)リハビリにサービスを絞ったデイサービス
2)時間設定、料金について
3)達成目標について
3.自費リハビリとは
1)オーダーメイド・短期集中のプログラム
2)時間設定、料金について
3)達成目標について
4.まとめ

1.通所リハビリ

介護保険の認定を受けた方が対象となっています。病院や診療所等に併設されることが多く、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士等の専門スタッフによる機能訓練や日常生活訓練が受けられるサービスです。主治医がおり、介護系の通所でメインのサービスと言えます。

1)通所リハビリのメリット

医師が1名以上配置されているので、病状が急変した時も迅速な対応が可能です。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士のいずれか1名以上配置されているため専門的なリハビリが提供可能となっています。

2)時間設定・料金について

事業所によって異なりますが、提供時間は短時間、長時間ともに利用可能です。費用は介護保険負担料により異なりますが、保険対象になっているため、デイサービスよりは金額は弾みますが割安にてサービスを受けることができます。長時間になればなるほど、料金が上がっていく仕組みになっています。(*要介護者の場合)

3)達成目標について

介護支援専門員の計画書を元にサービス提供を行います。そのため、事業所側がサービスの提供期間の設定を行うことは難しいです。しかし、定期的に身体能力のチェックも含まれているため、リハビリを積極的に実施し介護度を改善したい方にはお勧めと言えます。通所リハビリの選択においては、機器のみや決められた運動の実施だけではなく、パーソナルでどれだけオーダーメイドのプログラムを設定してくれる施設・事業所か見極めることも、身体機能を改善する一つの鍵となります。

2.リハビリ特化型デイサービス

リハビリ特化型デイサービスとは、介護保険上では通所介護にあたるため、介護保険認定を受けた人が対象となるサービスです。機能訓練や身体機能の改善を目的としたデイサービスなため、一般的な入浴や食事、レクリエーションが無い施設が多いのが特徴です。

1)リハビリにサービスを絞ったデイサービス

マシンなどのリハビリが充実している施設が多い傾向にあります。
施術は、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、鍼灸師のいずれかの資格を持った方でなければ機能訓練を行うことができません。そのため、必ずしも理学療法士や作業療法士がリハビリを行うとはされていません。また、大人数に対してのリハビリなためオーダーメイドではなくレディ・メイド(既製的)となる傾向にあります。

2)時間設定・料金について

利用時間は午前・午後と短時間の提供となっている施設が多いです。料金は、介護保険の適用となるため介護度に応じて異なりますが、割安と言えます。

3)達成目標について

介護支援専門員の計画書を元にサービス提供を行います。そのため、事業所側がサービスの提供期間の設定を行うことが難しいため長引く傾向にあると言えます。また、施術を行う資格者も多種多様なため、リハビリに対する知識も個人差があります。なぜ、短時間の特化型デイサービスなのか、この施設の機能訓練員の資格は何なのかといったことを検討した後に利用開始することをお勧めします。

3.自費リハビリとは

自費リハビリは、公的医療機関、介護保険外で受けるサービスのことを言います。上記のリハビリは介護保険の認定を受けていないと利用が出来ないのに対し、自費リハビリは、保険に左右されないのもメリットの一つです。

1)オーダーメイド・短期集中のプログラム

自費リハビリを提供する施設では、基本的に利用者各々にあったプログラムを提供する施設が多い印象があります。理学療法士の免許を所有しているスタッフが、トレーニングや施術した内容について評価を行い、しっかりと予後予測をして取り組む傾向があります。そのため、デイサービスといった施設と比較してみても質は良好と言えます。
ただし、理学療法士は名称独占であり、原則として医師の指示のもとでなければなりません。そのため、「理学療法士が行う理学療法」と謳っている施設は気を付ける必要があります。

2)時間設定・料金について

利用者の回転率をどうしても意識しないといけないため、短時間のサービス提供となる施設が多い傾向にあります。また、保険適用外なため、通所リハビリやリハビリ特化型デイと比較すると割高と言えます。

3)達成目標について

3ヶ月や半年と目標達成時期を明確化する傾向にあります。しかし、いくら理学療法士の有資格者が施術を行うといっても、セラピストにも技術の差があることは否めません。担当セラピストによってどれぐらい良くなるのか?リハビリ相応の金額か?などトータルで考えた後に利用開始することをお勧めします。

4.まとめ

通所リハ、デイサービス、自費を大まかに分けると下表のようになります。


様々なリハビリの特徴を述べてきましたが、自分に似合ったサービスを選択するということが重要です。費用、安全性、リハビリの質、どれが今の自分に適しているのか、時系列で考えてみるのも良いと思います。しかし、何より大切なことは「無理なく通い続ける」ということです。リハビリを1度行ったからといって、劇的に治癒するということはほとんどありません。そのため、無理なく、自分にあったサービスがどれなのか見極める術が何より大切だと思います。

通所リハビリテーション まえはら