コロナ禍の世の中、今までは地域のミニデイや自治会に参加していたが現在は参加できず外出機会が減った高齢者は多いと思います。デイケアを利用される方の中にも自宅で過ごす時間が増え、筋力低下や歩く時に転倒しないかと不安を抱いている利用者様もいらっしゃいます。
そこで今回、活動性が低下することで身体機能にどのような影響が生じるのか、運動することのメリット、自宅でできる運動を紹介していきたいと思います。
サルコペニアとフレイルについて
サルコペニアとは?
加齢や疾患により、筋肉量が減少することで全身の「筋力低下が起こること」を指します。または、歩くスピードが遅くなる、杖や手すりが必要になるなど、「身体機能の低下が起こること」を指します。
サルコペニアには「一次性サルコペニア」と「二次性サルコペニア」に分類されます。 *一次性サルコペニア加齢が原因で起こる
*二次性サルコペニア加齢以外に原因がある
◆一次性・二次性サルコペニア以外にも疾患や栄養に関するサルコペニアもあります。
サルコペニアの診断基準
サルコペニアの症状と見分け方
以前よりも「転びやすくなった」「重いものを持ち上げられなくなった」「階段の手すりを掴まないと上がれない」などの症状があれば、サルコペニアの疑いがあります。次の3つの方法で確認できますのでテストしてみてください。指輪っかテスト 低い ←サルコペニアの可能性→ 高い
ふくらはぎの最も 囲めない 隙間ができる
太い部分を両手の親指と人差し指で囲む
握力テスト
握力が低下することで、握る、持つといった日常生活の基本動作で困難を感じる機会が増えていきます。
握力が男性28kg、女性18kgを下回る場合はサルコペニアの疑いがあります。
歩行速度のテスト
横断歩道を渡るときに、青信号で渡り切れるかを確認してみましょう。今までは青信号で渡り切れていた横断歩道で渡り切れなくなっている場合はサルコペニアの疑いがあります。
フレイルとは?
健常から要介護へ移行する中間の段階と言われています。具体的には、加齢に伴い筋力が衰え、疲れやすくなり家に閉じこもりがちになるなど、年齢を重ねたことで生じやすい衰え全般を指しています。
簡単な見分けかたとして、加齢に伴って筋量が減少する病態をサルコペニア、老化に伴い、身体能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態がフレイルです。
要介護の原因となる疾患
1位:認知症
2位:脳卒中
3位:高齢による衰弱(フレイル)
4位:転倒・骨折
5位:関節疾患
フレイルの診断基準(厚生労働省 基本チェックリストより)
上肢を鍛える
持つ、掴む、握るなどの日常生活を維持する為に必要です。
ペットボトルの蓋を開ける、ドアノブを握る、お箸を持つ、洗濯する際に洗濯バサミをつまむ、服のボタンをとめるなど日常生活の多くのものが握力と関係しています。
下肢を鍛える
下肢を鍛えるメリット
下肢の筋肉を鍛えることで転倒を予防することができます。
・日常生活に必要な姿勢を保つ能力の維持や下肢筋肉量と筋力の増強により関節への負担が減るため腰痛や膝痛の痛みの軽減になります。また、下肢運動筋の毛細血管網が発達することにより血液の循環が良くなり、心拍出量等の心肺機能にも良い影響を与えます。血液の循環が良くなることで身体中の酸素供給が増え、結果的に連続歩行距離の延長につながります。
自宅にあるものでできるのでぜひやってみてください!