【変形性膝関節症】膝の痛みを軽減する方法

変形性膝関節症の膝の痛みを軽減する方法

変形性膝関節症は、年齢を重ねるとよく見られる膝の痛みや機能障害の主要な原因の一つです。膝の痛みは生活の質や日常活動に大きな影響を与えることがあります。この記事では、変形性膝関節症に悩む方々を対象に、膝の痛みを軽減する方法について詳しく解説します。

変形性膝関節症の痛みの特徴

    • 関節の痛みやこわばり:膝の関節に痛みやこわばりを感じることがあります。
    • 階段の昇り降りの困難:階段の昇り降りが難しくなり、痛みを感じることがあります。
    • 運動制限:歩行や日常活動に制限が生じ、趣味や社交活動にも影響を及ぼすことがあります。

痛み軽減のための方法

a. 非薬物療法

    • 運動療法:理学療法士・作業療法士の指導の下で、関節の柔軟性と筋力を改善する運動プログラムを行います。この記事の最後には、変形性膝関節症の方に対して効果的な運動をいくつかご紹介していますので、参考にしてもらえたらと思います。
    • 体重管理:適切な体重維持や減量を行うことで、関節への負担を軽減することができます。
    • コールドパック(アイシング):炎症を軽減するために、アイシングを使用します。氷のうやビニール袋に氷を敷き詰めて、10分~15分程度、膝関節周囲を圧迫しながら冷やすことで痛みが軽減することがあります。

b. 薬物療法

  • 鎮痛剤の使用:痛みの軽減のために、医師に相談して適切な鎮痛剤を使用します。
  • 抗炎症薬の使用:炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方されることがあります。

c. 道具の利用

  • 膝のサポーター:膝関節をサポートするための装具やサポーターを使用することで、痛みを軽減することができます。
  • インソール:インソール(中敷き)は、膝の痛みや負担を軽減する効果があります。変形性膝関節症では、関節の変形や軟骨の減少により、膝にかかる負荷が増加します。インソールは足のアーチをサポートし、足裏に均等に圧力を分散させることで、関節にかかる負荷を軽減します。また、歩行時の衝撃を吸収する役割も果たし、関節への負担を軽減します。
  • 杖や歩行補助具の使用:歩行時に膝への負担を軽減するために、杖や歩行補助具を利用することでも痛みを緩和することができます。

d. 手術

    • 重度の症状や痛みが持続する場合には、人工関節置換術などの手術が検討されることがあります。
    • 当院で手術は行っていませんが、他院で手術を終えられた方がリハビリに通われて、社会生活に元気に復帰されています。

日常生活の注意点

    • 正しい姿勢の保持:立ち姿勢や座り姿勢に注意し、膝への負担を軽減するように心掛けましょう。
    • 適度な休息とリラックス:膝への負担を軽減するために、適度な休息とリラックスを取り入れましょう。

運動療法

変形性膝関節症の方におすすめの運動療法は、関節の柔軟性を改善し、筋力を強化することで膝の痛みを軽減することを目指します。

以下に、具体的な運動療法について詳しく解説します。

SLRエクササイズ(脚上げ運動)

大腿部の前側(大腿四頭筋)の筋肉を鍛える運動です。

膝関節の安定性を高めるために効果的です。下の動画のように、あお向けになり、鍛えたい方の片膝を伸ばしたまま30㎝程度床から持ち上げます。

ゆっくりと上下に動かしていきます。最初は10回程度からはじめて、慣れてきたら徐々に回数を増やしてみてください。

座ってひざ伸ばし

上のSLRエクササイズと同様の効果がある運動ですが、この運動の場合は椅子に座って行います。

椅子に腰かけて片膝を伸ばすだけ。伸ばした位置で5秒程度、ももの表側に力を入れ続けることで、より効果がアップします。

これも最初は10回程度行い、慣れてきたら徐々に回数を増やしていくと良いです。

股関節外転筋トレーニング

ブリッジ

おしりの運動です(殿筋)。歩行のときはお尻の筋肉を使うことが大事です。このブリッジ運動を行うことで、臀部の筋肉を鍛えることが出来ます。

水中ウォーキング

プールでの水中運動は、膝にかかる負荷を軽減しながら筋力を鍛える効果があります。膝を曲げずに行える運動を選びましょう。水の浮力を利用して関節への負担を減らしながら、筋力を鍛えることが出来ます。

変形性膝関節症の方が運動を行う際の注意点

  • 運動を始める前に、医師や理学療法士に相談しましょう。
  • 痛みや違和感を感じた場合は、運動を中止し、医師に相談してください。
  • 運動の強度や範囲は、個人の能力や症状に合わせて調整しましょう。

運動療法は変形性膝関節症の痛みを軽減し、関節の機能を向上させるために重要な役割を果たします。

ただし、無理な負荷や過度の運動は逆効果になることがあるため、適切な指導の下で行うことが重要です。医師や理学療法士と協力しながら、自分に合った運動療法を見つけましょう。

【まとめ】変形性膝関節症の痛みを軽減する方法

変形性膝関節症の痛みは大きな問題ですが、適切な療法と日常生活の注意を通じて軽減することが可能です。

薬物療法、運動療法、道具の利用、そして必要な場合には手術など、多くのオプションがあります。個々の症状に合わせて医師と相談し、痛みの軽減と生活の質の向上を目指しましょう。

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