【肩関節拘縮(凍結肩)の手術 Q&A】
手術費用、入院期間、外固定期間、仕事復帰時期など
手術の対象となる病状とは?
- 3か月以上保存的治療を継続しても満足度が得られない症例・症状が改善しない症例。
- 可動域が改善しない症例:自動他動挙上120度未満でリハビリを行っても改善しない症例。
- 安静時および動作時の痛みや可動域の制限が高度な症例。
手術の方法は?
- 麻酔は全身麻酔と※持続斜角筋間ブロックを併用します。
※これにより手術後の痛みが1-2日間緩和されます。
関節鏡視下関節授動術(関節包切離術)
- 直径5mm程度の内視鏡を用いて行います。手術の傷は5mm程度の傷が2-3カ所で女性でも傷が目立たない比較的体の負担が少ない手術といえます。
- 肩の関節の中を内視鏡で見ながら、動きが悪くなっている原因の関節包(図1)を切開(図2)します。また、炎症を起こしている滑膜を切除します。(図3)
(図1) |
(図2) |
(図3) |
手術時間は?
- 約30-45分程度です。手術室に入ってお部屋に帰るまで1.5-2時間程度です。
入院期間はどのくらい?
- 早ければ3日程度で、5-7日程度が多いです。
手術後の外固定期間はどのくらい?
- 1-3週間程度です。痛みが軽い人は1週間程度で三角巾を除去できます。
手術後のリハビリ期間はどのくらい?
- 1-6か月程度でばらつきがあります。平均で2-3か月(週2-3回)ですが罹患期間や外傷の・糖尿病・高脂血症・甲状腺疾患などの既往がある方は時間がかかる傾向にあります。
仕事復帰やスポーツの再開時期は?
- 事務作業・デスクワーク・程度であれば退院すれば可能です。
- 力仕事・重労働・肩に負担の多いスポーツは可動域が改善する術後3か月程度を目安としてます。ジョギング程度であれば1-2か月で可能と考えます。
入院・手術費用はどのくらい?
- 手術する病院や入院期間にもよりますが、3割負担で自己負担金は20-30万円程度です。所得にもよりますが、高額療養費制度を申請すると負担金の軽減が見込まれます。
手術の合併症・副作用はありますか?
- 再拘縮:術後にリハビリを行わないと再び硬くなることがあります。
- CRPS:複合性局所疼痛症候群や肩手症候群が数%の確率で起こりえます。軽い症状であれば手指のこわばりやむくみなどの症状で、ステロイド剤の投薬などで回復していくことが多いです。
- 出血:20-30cc程度で少なめです。
- 術後疼痛の残存:痛みが残る場合は鎮痛剤や注射を併用してリハビリを行うこともあります。