骨粗鬆症(こつそしょうしょう)って何?

こんにちは!久しぶりの更新となります。

デイケアまえはらの利用者に“骨密度って何ね?”と聞かれる事が多くあります。

骨密度は骨粗鬆症の中でよく聞かれる言葉です。そこで、今回は簡単ではありますが、骨粗鬆症について解説したいと思います。

骨粗鬆症について (目次)
1.骨粗鬆症ってどんな病気?
2.骨量って何で減少するの?
3.骨粗鬆症になりやすい人とは?
4.骨粗鬆症の予防と治療はなぜ必要なの?
5.年齢によって予防のポイントは変わるの?
6.カルシウムを多く取れば、骨粗鬆症は予防できる?
7.運動は骨にどのような影響があるの?

1.骨粗鬆症ってどんな病気?

骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して、骨折しやすくなる病気です。現在、骨の強度は70%位が「骨密度」(主にカルシウムの量)で残りの30%くらいが「骨質」(骨の微細な構造や骨代謝状態など)で決定されると考えられています。

つまり、私達が骨粗鬆症の際に検査する際は、骨密度を見ている事になります。

2.骨量って何で減少するの?

骨は硬い組織ですが、常に古い骨を壊す作業(骨吸収)新しい骨を作る作業(骨形成)の両方が繰り返し行われています。これを「骨改変」(リモデリング)と言います。女性は閉経後、男性でも高齢に伴い、骨吸収の度合いが亢進し骨形成が間に合わず、結果骨量が減少する傾向にあります。骨吸収亢進の原因は、①エストロゲンなどの性ホルモンの低下、②カルシウム、ビタミンDの欠乏などが主として考えられています。

3.骨粗鬆症になりやすい人とは?

骨粗鬆症は加齢と共に頻度が増加しますが、なりやすさは個人ごとに異なります。

男女ともに、50歳以上で低体重、骨折の既往、過度のアルコール摂取、喫煙、運動不足、食事の偏り(過度のダイエット含む)などは骨粗鬆症の危険因子となります。

4.骨粗鬆症の予防と治療はなぜ必要なの?

骨粗鬆によって骨強度が低下すると骨折が起こりやすくなります。骨折の部位としては、椎体(背骨)、大腿骨近位部(足の付け根)、上腕骨近位部(肩の付け根)などがあります。転倒、骨折は要介護となる原因の第3位です。そのため、骨が弱くなることを防いだり、強くしておく必要があります。

5.年齢によって予防のポイントは変わるの?

骨粗鬆症による骨折が心配となるのは中高年ですが、若年期により高い「最大骨量」を獲得しておくことがポイントとなります。

骨粗鬆症の発生の予防(若年層)

最大骨量や骨量減少量は様々な環境因子・生活習慣因子と遺伝・身体的因子によって決定されます。これらの因子を把握して、日常生活で改善できることにまず取り組むことが大事です。

早期発見と治療(中高年)

40歳以降、特に閉経後女性では、数年に一度の骨量測定を行うことによって、骨粗鬆症を早期に発見し、早期治療につなげることが勧められています。

骨折を防いで日常生活の活動性を上げる(高齢者)

骨粗鬆症が発症しているとわかった場合、薬物療法や転倒、転落予防の対策を講じることが重要となってきます。

*骨粗鬆症のポイントは骨折予防となります。骨密度が若年成人平均値の70%未満は脆弱性骨折を有する方が該当します。

6.カルシウムを多く取れば、骨粗鬆症は予防できる?

カルシウムは骨の健康にとって最も重要な栄養素ですが、カルシウムだけでは骨粗鬆症を予防できるだけではありません。

骨代謝に重要な栄養素を摂取することが予防の基本となります。骨代謝に必要な栄養素は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質となります。特に、高齢者はタンパク質不足にならないようにすることが重要となります。

7.運動は骨にどのような影響があるの?

運動を行うことで、腰椎や大腿骨近位部の骨密度減少を予防する効果があるとされています。

運動は、ウォーキング、ランニング、エアロビクスなどに腰椎の骨密度低下に対する予防効果があります。また、椎体骨折の予防には、背筋を鍛えることが有効です。

*運動は出来ない動作をやると痛みが出ることがあります。専門家に見てもらいながら実施することをお勧めします。

まとめ

いかがでしたか?今回は、よく聞かれる質問を中心にまとめてみました。

骨粗鬆症は誰にでも起こりうる病気です。気になる方は、一度検査しても良いと思います。

引用文献:骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインより(財団法人 骨粗鬆財団