野球選手の棘上筋の鍛え方|肩が痛い場合のリハビリにも効果的
棘上筋(きょくじょうきん)、弱くなっていませんか?
図1の赤線で囲われたイラストは、投球動作のなかの「アーリーコッキング期」と呼ばれる瞬間です。
この「アーリーコッキング期」で肩を上げる「外転動作」では、主に「棘上筋(きょくじょうきん)」や「三角筋」という筋肉がはたらきます。
図2 棘上筋
私たちは以前、小中学生の野球選手40名に対してメディカルチェックを行いました。このメディカルチェックのなかで、筋力を測定する機器(徒手筋力計)を用いて、ボールを投げる側の肩(投球側)と反対側の肩(非投球側)の棘上筋の筋力を計測し比較したところ、67.5%の選手が非投球側よりも投球側の筋力の値が低い結果でした。(図3)
図3
棘上筋の筋力の低下は、フォームの乱れにもつながる
投球側の棘上筋が弱くなると、ボールを投げるときに肩が十分に引き上げられなくなります。すると、「肘下がり」や「体の開きが早くなる」といった投球フォームの乱れを起こしやすくなります。結果として、肩・肘のケガが起こる可能性が高まります。
棘上筋の筋力が低下している原因としては、
- 投げすぎによる筋肉の疲労
- 痛み
- 肩関節の不安定性やゆるさ
- 肩甲骨や体幹・下半身など肩以外の部位の機能低下
など、複数の要因が絡み合っていることが考えられます。ですので、筋力を改善させるためには弱っている棘上筋を鍛えるだけではなく、全身の状態も合わせて改善することが大切です。
棘上筋の鍛え方
今回はセラバンドを使って行う棘上筋の筋力強化エクササイズを5つ紹介したいと思います。
最終的に、図10のような捕球後のボールを投げる姿勢につなげていきます。
1.肩外転エクササイズ(棘上筋)
図のような姿勢で両足を肩幅くらいに開き、セラバンドを斜め上方向(45°程度)に引き上げます(親指を天井方向に向けて)。肘はまっすぐ伸ばして行います。
図4
親指を下に向けて(肩関節内旋位)
図5
2.片脚立ちで棘上筋エクササイズ
全身のバランスを保ちながら棘上筋を上手にはたらかせます。
図6
3.片膝立ちで棘上筋を効かせる
セラバンドを前足で押さえながら、斜め上方向に引き上げる。
図7
4.棘上筋&三角筋
片膝立ちで、弓を引くように胸を張ってセラバンドを肘から引き上げる。
図8
5.外旋筋も効かせて送球の狙いを定める(外転+外旋)
- 肘から引き上げる
- 外旋する
図9
図10
このときは、外旋筋(棘下筋)(図11)もイメージしながら肩を動かしましょう。
図11
【野球選手の棘上筋の鍛え方】まとめ
今回は棘上筋のエクササイズのみをご紹介しましたが、力強く安定したボールを投げるためには肩まわりの筋力だけではなく、下半身や体幹を含めた全身がバランスよくトレーニングすることも重要です。
筋トレで疲労を溜めないためにはマッサージも欠かせません。
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