変形性膝関節症ってなんでここに痛みがでるの??〜外側編〜

みなさん、こんにちは。

今回の題材はと言いますと、変形性膝関節症の外側の痛みについてです。
約1ヶ月前に、「内側編」を投稿させていただきましたが、今回のブログでは「外側編」を発信させていただこうと思います。

変形性膝関節症の外側の痛みについて

外側の痛みの要因には、主に3つのストレスがあります。
1つ目、2つ目は内側と同様で伸張ストレスと圧縮ストレス、3つ目は摩擦ストレスが存在します。

1つ目の伸張ストレスに関しては、後外側支持機構が要因に挙げられます。
因みに後外側支持機構とは、膝の後外側に靭帯や筋肉、関節包がありその総称の事を言います。
後外側の安定性には、腓骨(ひこつ:すねの骨の外側にある骨)に付着する細かい靭帯が重要の役割を担います。
しかし、ファベラ(膝の後外側に内在する大きな種子骨)が欠損している例や細かい靭帯が発達しすぎていると、他の組織の代償動作で下腿の外旋を制動する機能が障害される可能性があります。下腿外旋が過剰になる事により、伸張ストレスが生じる可能性があり、その結果、痛みがで出る事になります。
これらは、ほんの一部になります。

次に、2つ目の圧縮ストレスです。要因として、腸脛靭帯(大腿骨の外側に付着している大きい靭帯の事)に問題がある事です。
腸脛靭帯の遠位付着部(大腿骨の外側で一番遠いところの骨)には、滑液包はなく代わりに脂肪体があります。脂肪体には、神経や血管が多く分布すると報告されています。膝屈曲位から伸ばす際に大腿四頭筋(膝の前の筋)の収縮により、脂肪体が内在する部分のスペースが小さくなる事で圧縮ストレスが生じます。

3つ目は、摩擦ストレスです。主に大腿二頭筋(大腿の後外側に付着する筋)が要因として挙げられます。
大腿二頭筋の遠位部と外側側副靭帯の間に滑液包が存在します。大腿二頭筋と外側側副靭帯との間は摩擦ストレスが加わりやすく、その結果大腿二頭筋や外側の組織に柔軟性低下を引き起こしてしまう恐れがあります。

これらの要因で起こりうる症状は、

  • 関節の不適合(下腿「すねの骨」の回旋運動の動きが悪くなる) 下図左上

  • 膝関節の内反不安定性(O脚になりやすくなる 右上

  • 外側広筋・大腿二頭筋・腸脛靭帯の過緊張(かたくなる) 左右下

 

 

 

 

《まとめ》
外側の痛みにの要因は、元々は筋性が多いことがわかりました。筋肉や靭帯の硬さにより、関節の動きが悪くなったり変形を助長させてしまったりする事があります。根本の膝周囲の原因がわかったら、患部外(足関節や股関節、体幹)の評価をしてみる事もお勧めします。
次回以降で、膝前面の痛みについて発信したいと思います。

【画像引用先】※少し編集を加えております。
イラストAC
いらすとや
hoto AC
pixabay

宜野湾整形外科 奥間 翼