腱板断裂(手術療法)【リハビリは術後プロトコルに沿って行います】

【腱板断裂の手術の種類】

手術には、関節鏡視下手術と直視下手術があります。当院に来院される患者様の約90%が関節鏡視下手術の患者様です。

現在では、関節鏡視下手術の方が低侵襲(傷口が小さい:1㎝×5箇所)で、手術後の痛みが少ないので普及しています。侵襲部位が小さいので、女性などは確実に鏡視下手術の方が良いかと思います。

麻酔は、神経ブロックと全身麻酔を行います。手術時間は、約2時間になります。

【腱板断裂の手術後の入院期間】

当院には、入院施設はありませんので手術希望の方は、友愛医療センター(前 豊見城中央病院)への紹介になります。

入院期間は、約7~10日間になります。

手術後は痛みのコントロール(服薬など)を行いながら、肩甲骨・関節周りの筋肉が硬くならないようにリハビリを行います。

【アームスリングによる固定期間】

手術を行ったあと、約4~6週間の装具固定期間があります。

固定期間に関しては、断裂の大きさの違いで決まります。

基本的に、断裂の大きさが小・中断裂、連続性を辛うじて保っている不全断裂は左図のような装具を着用します。
右図に関しては、大断裂、広範囲断裂の場合に着用します。
装具の着用も手術の状況により変更などがあるので主治医と相談してみてください。

【腱板断裂術後のリハビリテーション】

リハビリテーションは、退院後も当院か近医で行います。基本的に、週3回以上は来院の提案をしています。リハビリの総期間は、約3か月になります。術後の経過が良ければ、3か月で終了の患者様もおりますが、3か月以上かかる患者様もおり、個人差があるためご了承ください。
日常生活に支障がなくなる時期は、約2.3か月になります。(自動車の運転、軽作業)

スポーツや重労働への復帰は、約6か月です。

 

【注意点・禁忌】

・特に装具装着期間中は、再断裂のリスクが高いのでしっかり守るようにお願いしています。

・術後の生活におきましては、下記の様に
他動運動(他人に動かしてもらい自分は力を入れない)→自動介助運動(他人に腕を半分の力で持ってもらい、その半分は自分の力)→自動運動(自分で力を入れる)
という段階を踏んだ上でリハビリを行っていくので、再断裂のリスクを考えるのであればプラン通りを守っていただく様にお願いしています。

【腱板断裂の術後プロトコル(プラン)】友愛医療センター(前 豊見城中央病院)参照。

主治医・病院によっても異なるため、参考程度に。

 

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