変形性膝関節症ってなんでここに痛みが出るの?〜内側編〜

みなさん、変形性膝関節症ってご存知ですか??

変形性膝関節症とは…
関節軟骨の変性と摩耗が病態の主であり、関節内構造体である滑膜や軟骨にも障害が及び、関節の形態と機能を障害します。歩行時痛などにより移動能力が障害されることで、最終的には生活の質を著しく低下させます。緩徐であるが進行性の疾患でもあります。

※運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略より引用
このように、関節内外での障害が結果的に痛みや能力低下に繋がったりするのです。
今回は、変形性膝関節症の「内側」の痛みに着目し、主な要因を解説していきたいと思います。

《変形性膝関節症の痛みが出現する部位と主な要因》

  • 内側…内側の痛みの要因には、主に2つのストレスがあります。

1つ目に、伸張ストレス(+剪断ストレス)です。
主に、靭帯性か筋肉性の二つに分けられ、靭帯性の場合は内側側副靭帯。筋肉性の場合は、鵞足筋「がそくきん」(すねの内側に付着する筋肉の総称:薄筋「はっきん」、縫工筋「ほうこうきん」、半腱様筋「はんけんようきん」)か下肢裏内側(内側ハムストリングス:半腱様筋、半膜様筋「はんまくようきん」)にある筋が要因とします。
これらの要因で、(下図)

①関節の不適合(下腿「すねの骨」の回旋運動の動きが悪くなる) 「左上」
②中殿筋(お尻の外側の筋)の筋力低下 「右上」
③膝の屈曲拘縮(曲がったまま固まること=伸びづらくなる) 「左下」
④膝の外反(X脚)不安定性(内側の靭帯が緩んだり損傷する事で制御できずに不安定になる。「右下」

などといった症状を引き起こす恐れがあります。

2つ目は、圧縮ストレス(+剪断ストレス)です。
圧縮ストレスの要因は、内側半月板(以下MM)由来がほとんどです。
MMが要因となることで、

①前者と同様に膝の屈曲制限
②膝裏内側の筋の収縮不全(力入れづらい状態)
③大腿四頭筋(前太ももの筋)の筋力低下

④膝蓋下脂肪体の拘縮(膝のお皿の下にある腱の動きが悪くなる)

MMには、筋肉や関節包、靭帯の付着があり損傷などの障害が生じることで可動域制限や筋力発揮ができなくなったりする恐れがあります。
(下図の赤丸が内側半月板・外速半月板 左膝であり画面から左側が内側半月板で右側が外側半月板)

《まとめ》
内側の痛みに関しては、軟部組織性(筋や靭帯、半月板)などが要因で症状が出現しているケースが多いことがわかりました。靭帯損傷や半月板損傷に関しては、明確にするにはMRIなどを撮影したほうが今後の治療方針が明確になるかと思います。
膝の内側の痛みが出現し歩行障害などが出てしまうのであれば一度お近くの整形外科受診も考えてもよろしいかと思います。

また、膝の外側・膝の前面の痛みについてもブログにて更新させていただければと思います。
《画像引用先》※引用し編集しています。
イラストAC
いらすとや
hoto AC
pixabay

宜野湾整形外科医院 リハビリテーション科 理学療法士 奥間 翼