腰椎椎間板ヘルニアの病態や症状、原因

腰椎椎間板ヘルニアとは

腰椎(左下図)は、いくつかの靭帯や、椎間板と呼ばれる一種のクッションのような働きをする組織によりつながれています。この椎間板は正常の場合、弾性を有しており、上下の腰椎を支えるとともに、前後左右に運動することが可能になっています。(図1-2)椎間板は、外縁 (がいえん)部分を構成する線維輪という靭帯様の構造物と、中心部に含まれる軟らかい髄核 (ずいかく)という構造物から成り立っていますが、外縁部分の椎間板の線維輪が弱くなって膨隆したり、線維輪が断裂して中心部の髄核が飛び出したりすると近くにある神経を圧迫するようになってきます。

これが、腰椎椎間板ヘルニア(以下、ヘルニア)と呼ばれるものです。

椎間板が損傷してしまう理由は様々ですが、椎間板が加齢とともに早期から老化しやすい組織であることや、二本足歩行により下位腰椎への負担が強くなっていることが、大きな原因であろうと考えられています。椎間板ヘルニアの患者さんの年齢は50歳代にピークがあり、男性は女性の約2倍の頻度で見られます。

主な症状

通常は、腰痛やいわゆる「ぎっくり腰」のような症状が認められ、数日後に、一側の下肢へと放散する激しい痛みや「しびれ」は熾烈 (しれつ)で、ほとんど満足に動けないことも多く、睡眠も妨げられるほどです。しかし、この痛みや「しびれ」は2-3週間でピークを越えることが多く、その後、徐々に痛みや「しびれ」が和らいで(やわらいで)行くことが多いです。症状は、一側下肢のみであることが典型的ですが、両下肢に症状が出現する場合や、排尿や排便にも障害が認められる場合もあります。

原因は?

スポーツ選手であると、同一動作を繰り返し行っている選手に好発すると言われています。
基本的にヘルニアになる要因は前屈動作などのいわゆる中腰の動作と言われていますが、腰椎への負荷に対する相関図はこのようになります。(下図)

そもそも、回旋動作メインの野球ですら、ヘルニアになる選手もいるということですから、前者の同一動作の繰り返しにより椎間板にストレスが生じ、ヘルニアになっているのではないかと思います。

これらの通り、腰椎椎間板ヘルニアは同一動作の繰り返しや前屈動作により椎間板が圧迫する事によって起こる事がわかりました。いかに、椎間板への圧迫ストレス、回旋ストレスを軽減させるためには、胸椎部のストレッチや体幹部のトレーニング、エクササイズが必要になってきます。腰椎椎間板ヘルニアに必要と思われるストレッチなどは以下の関連記事にてご確認ください。

「腰椎椎間板ヘルニアのエクササイズやトレーニング、ストレッチ」