【はじめに】
【腰椎分離症とは】
【分離症の多いスポーツ】
【分離症の病期分類】
分離症には初期・進行期・終末期と分類分けされています。分離部の病期別での骨癒合率は初期94%,進行期 (浮腫あり)64%(浮腫なし)27%,終末期 0%との報告があります。(表1)
【腰椎分離症になりやすい・再発しやすい選手の特徴】
【体幹安定性の評価・トレーニング】
腰部障害の選手に対する体幹安定性の評価・トレーニングは、腰椎の安定化に関わる腹横筋(お腹深部の筋)の収縮運動から開始します。
・ドローイン(図2)
仰向けで両膝を立て、お腹を使って深呼吸(腹式呼吸)します。息を吐く際にお腹を凹ますようにします。この時、両手をおへそ付近に置いて呼吸をすると意識しやすいでしょう。
図2
ドローインが可能となれば、次は腹斜筋群(お腹浅層の筋)を含めたお腹全体の筋を使って腹部を固めるブレーシングを行ってみましょう。
・ブレーシング(図3)
ドローインの時と同じように腹式呼吸をするのですが、息を吐く際にお腹を凹ますのではなく、膨らませた状態をキープしながら息を吐きましょう。
図3
【股関節前面のストレッチ】
股関節伸展(脚を後ろにする動作)可動域制限があると、投球時やバッティング、走る際に腰を反ってしまうことになるので腰椎分離を拡大させてしまいます。そのため、股関節の可動性を出す必要があります。
・腸腰筋(股関節前面の筋)ストレッチ(図4)
図4
ストレッチ時に腰が窮屈で痛くなる時は反り過ぎている可能性があります。分離症の病態でも説明したように、腰が反ったり捻ったりすると腰にストレスがかかり悪化する可能性があります。ストレッチを行う際は、お腹の力(腹圧)が抜けないように意識しましょう。
【まとめ】
【参考文献・引用】
編集:菅谷啓介 能勢康史 新版野球の医学
竹林庸雄ら:特集:スポーツ外傷・障害診療実践マニュアル Ⅱ.部位別疾患 腰椎分離症
BM Orthop.23(5):75-80,2010